学は苦手なのでタイトルだけで敬遠して買っても積読してました。
読了し、もっと早く読めばよかったと後悔。美しく洗練とした文章に、淡白なようで情愛に満ちたストーリー構成です。
偏屈で扱いにくい人だった博士が、息子「ルート」と数字、野球を介してがらっと印象を変わります。
野球も数字も私とは縁遠いのですが、「私」と「ルート」の二人と一緒に博士の講義に夢中になりました。
「家政婦の私」が博士に惹かれていく過程は暖かく、同時に「未亡人」と博士の関係が「私」と読者を揺さぶります。
きっと、未亡人も数字で博士と愛を育んだんだな。