なぎこの書斎

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咲うアルスノトリア カンタベリ修道騎士団第六部隊隊長 アラン《メラヒト》カペル

カンタベリ修道騎士団第六部隊隊長 アラン《メラヒト》カペル

青き炎と謳われる銃の名手。

ARAGAIフェスにおいては「玲瓏」「苛烈」。

女性を太陽と敬い大事にする。

公爵家の出身だが、少数民族の血を引くらしい。

この記事は咲うアルスノトリアのアラン《メラヒト》カペルについて主に元ネタを考察する記事です。

アラン《メラヒト》カペルの考察 

北アメリカ大陸北部の少数民族オジブワ族の出身では?

アラン《メラヒト》カペルはおそらく母方が少数民族である「北アメリカ大陸北部の少数民族オジブワ」の出身だと思われます。

なぜ、筆者がオジブワだと思うのか?

それは騎士シジル「美しく蒼き炎」にドリームキャッチャーが描かれているからです。

ドリームキャッチャーとは?

ドリームキャッチャー(英: Dreamcatcher)とは、北アメリカ大陸北部の少数民族オジブワの伝統的な魔除け、装飾品。

柳の枝を曲げた輪に糸を張って蜘蛛の巣に見立て、悪夢を捕らえ防いでくれるよう願った。 オジブウェー語のローマ字ではasabikeshiinhと記され、クモまたはクモの巣を意味する。

1960年代から1970年代のパン・インディアン運動 により、他の少数民族へ広まったとみられ、先住民族、ファースト・ネーションの文化的アイデンティティーを象徴すると見なされもした。もっとも、現在市場に流通しているアクセサリー商品に対しては、その限りでない模様。*1

簡単に言えば「悪夢から守ってくれる御守り」です。

 

またメラヒトのインシグニアはオジブワ族の首領の姿と酷似していています。



他の北東部族と同様、白人入植者との軋轢で西方へと領土を移動する歴史の繰り返しだった。1730年代にはスペリオル湖畔に到達し、イロコイ族を東へ押し返し、ヒューロン湖エリー湖近辺を制圧した。スー族とはその後も長きに渡り敵対し、これを負かした唯一の部族となった。

氏族(クラン)を中心とした母系社会で、クラン・マザーと呼ばれる女性が部族をまとめる。これは現在も変わらない。

女性を大事にしていることもこういった母系社会で育まれたのではないでしょう。

また、死者は座った形で土葬する習慣があるようで、「美しく蒼き炎」のメラヒトはオジブワ族において死んだものとして扱われていることを示唆するのでは?と考察しています。

なぜオジブワ族と公爵家の間にメラヒトが生まれたのか?

なぜ、オジブワ族(おそらくオジブワ族の女性)と大瑛帝国の公爵家との間にメラヒトが生まれたのか。

これについては考察というよりただの妄想じみた憶測しか言えないですが、

公爵家の男性(父親)がオジブワ族の女性(母親)と恋仲・略奪・買春などいずれかの果てにメラヒトが生まれた…と思われます。

なぜ公爵家の男性が少数民族の女性と子供をなしたか。

どういった事情かはわかりませんが、いくつか推測が出来ます。

公爵家という大瑛帝国でも高貴な身分の男性が、少数民族の女性と知り合うのも稀なことです。

そもそも、領地外へ貴族が出掛けることさえ稀でしょう。身分ある男性がお忍びで町に出て、もしくは旅行先で恋に落ちるなんて気安さでは出会えない女性です。

どんな風に知り合ったか

  1. 大瑛帝国の領土拡充のための戦争で公爵家男性がオジブワ族の女性と出逢い政略的な事情でメラヒトが生まれる。
  2. 公爵家の男性が少数民族に興味津々で好奇心のまま知り合いメラヒトが生まれる。
  3. 公爵家の男性が何らかの理由で旅先で倒れ、オジブワ族に拾われて過ごし、メラヒトが生まれる。

私は1だと思います。

大瑛帝国はどうかは知りませんが、元になった英国では母親の身分が子供の出生を決定しますので、よく創作にある「貴族とメイドの子供が貴族として育つ」ことはほぼありません。

咲うアルスノトリアも創作ですからこういう展開はあってもおかしくないですが、公爵家とあろう貴族が少数民族の女性との間に生まれた子供(メラヒト)を迎え入れるのは政略的な事情が無いと説得力に欠けます。

 

どんな理由であれ、アラン《メラヒト》カペルは咲うアルスノトリアの世界で生を受け、一時期は母元のオジブワ族で育ったのでしょう。

 

 

 

名前の由来

アラン《メラヒト》カペル。

騎士はみんな異名やインシグニア、秘術などに星座が関わる動物が見受けられます。

また、宗教改革に関わった人が名前の由来になっているようです。

Alan〈アラン〉は「公正な」「ハンサム」「元気な」「陽気な」「小さな岩」「調和」「石」という意味を持つケルト語起源の名前*2です。

Caper〈カペル〉はラテン語で「山羊」という意味*3です。

古代エジプトにおいて山羊は高潔さの象徴。ギリシャ神話においては山羊の神・パーン(羊飼いと羊の群れを監視する神様)でとても好色*4。後述の「八つの想念」といい彼の性情を想起させます。

ちなみに、山羊は自然と精力の象徴だそうです。

メラヒトの由来はおそらく「フィリップ・メランヒトン」というルター派のドイツの人文主義者でありキリスト教神学者*5でしょう。

八つの想念

騎士には星座にある動物、宗教改革者の他にも「七つの大罪」の起源である八つの想念をモチーフに持っていると思われます。

メラヒトはこのうち「淫蕩」だと思われます。

 

メラヒトの秘術・スキル

バーズビーク

Barsbeek.はアフリカーンス語。意味はわからず。

 

インビンシブル・エスカトロジー

確固不動の終末論という意味だそうです。カッコイイ。

 

ダーク・エンブリオ

暗い胚。胚は出産まで母体に入っている赤ん坊のこと。怖い。

 

 

 

 

*1:Wikipediaオジブワ - Wikipedia

*2:GLAM OF GIRLS

*3:大貫尚雄(2009年)『幻想ネーミング辞典』、新紀元社、72ー73頁。

*4:マドンナ・ゴーディング(乙須敏紀訳)(2009年)『シンボルの謎バイブル』、ガイアブックス、236頁。

*5:フィリップ・メランヒトン - Wikipedia