クラウドファンディングで成功するもの失敗するもの
クラウドファンディングとは大雑把に言えば「挑戦したいことを実現するため資金調達する仕組み」です。
「こういうのがやりたいけどお金がないです。良いなって思ったならばお金で賛同してください。リターンをご用意しましたので、ご希望のプラン(リターン内容)でお願いします。」というやつです。身も蓋もない言い方ですみません。
宣伝にもなりますし、支援者(お金出してくれる人)も「俺が支えた」「みんなで作り上げる」感じがあります。
私は情けないことに金欠なので支援したことは無いですが、見ているとなんとなく「クラウドファンディングで失敗した理由」がぼんやりとわかってきました。
とりあえず、面白かったクラウドファンディングやこれは失敗するだろうなと思ったものを記事にまとめます。
ただ素人が「多分こんな感じで失敗したんだろうな」って言っているだけで専門知識はありませんし、誹謗中傷の意図もありません。どうかご了承ください。
思わず支援したくなるようなクラウドファンディング
お嬢様人狼
私がクラウドファンディングを知ったきっかけになったボードゲームです。
目標金額250,000円を突破してなんと380,500円の資金が集まったクラウドファンディングです。
面白そうなゲーム内容に加えて、リターンの金額が現実的で支援しやすくユーモアにあふれていて思わず支援したくなるような魅力が溢れています。
一番低額なのはお姉様プラン。
1,000円という支援しやすい金額でほどほどのリターン内容ですね。
文面も遊び心があり、クスリと笑ってしまうセンスが溢れています。
2,000円でお嬢様人狼のゲームが貰えます!!
知ったときには既に終わっていたプロジェクトですが、見ているだけで楽しいクラウドファンディングだなという印象でした。
中古でなら楽天でも買えるようです。
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オトーリバースの再販
引き続きボードゲーム。
ボードゲーム一緒に遊ぶ人いないので買わないのですが、とても好きなのでよくクラウドファンディングで巡回しています。
このオートリバースのクラウドファンディングですが、初っ端から飛ばしていて面白いです。
まず、このイラストの美しい女性ですが、残念ながらこのあと吐きます。
「!?」
というか女性もおっさんもジジイもみんなゲ□ってアルハラして一気飲みしてもらいゲ□します。
ゲームの内容は、肝臓の強さに見合うだけのお酒を飲み比べです。ギリギリを見極める度胸試しの感覚はトランプのブラックジャックに近いです。ただし、アルハラ(アルコールハラスメント)で人に酒を押し付けたり奪ったりもできます。こういった酷い妨害合戦の末に、最も酒を飲んだプレイヤーが勝利します。
紹介文からもう面白いのがずるい。こんなの支援しちゃうじゃん。
2,000円でオートリバースが貰えて、3,500円でオートリバース2個に限定キャラカード、エクストラルール説明書が貰える。
支援しがいのあるリターン内容です。
ボードゲームって2,000円前後が多いので3,500円のプランは破格にお買い得です。84人もの支援者がいるだけあります。
成功するクラウドファンディングとは
クラウドファンディングは「今ここで支援した方が得だ」と思わせるのが勝ちです。これが成功の秘訣だと思います。
興味のあるジャンルでかつリターン内容にうまみがあり、誠実で面白いと思わせてくる好感触な文面。
創造性と展望があり、これが世にあったら素敵だな欲しいな、応援したいと思えるものが愛される。
成功するクラウドファンディングとは結局???
- 明記されている資金の流れ (例:○○円は○○の購入に、○○円は外部への発注に使いますなど)
- 支援しやすい安価なリターンプランを用意する (例:1,000円や2,000円くらい)
- 支援金額に見合ったリターンプラン
- その商品を持っている人やお店、雰囲気等々をイメージしやすい
- 誠実で信頼性があり、ワクワクするような好ましくなる文面
- 洗練されたデザイン(例:アイキャッチ画像が洗練されていると目を惹きます)
失敗するクラウドファンディング
これは内容が内容なのでご本人様から見れば嫌な気分になるでしょうし、他人から見れば晒しに見えてしまう可能性もあるのでスクショもリンクも貼らないです。
特定されないようにぼかしつつ実際の内容とは乖離しない適度なフェイクもいれつつ失敗したクラウドファンディングの一例としてご紹介します。
これはあるプロジェクトの例となります。
ノベルゲームを作りたいというクラウドファンディングのプロジェクト。
「●●モチーフの◎◎なノベルゲームを作りたいのでプロジェクトを立てました。完成した品のサンプルをリターンにします。未熟ですがよろしくお願いします。A男。」
目標金額:25万円。
リターンは一種類のみで2,000円:完成した小説。
連絡先:Twitterアカウント(現在は削除されている)
活動報告:なし
支援者:0。
期間:2022/07/01~2022/08/01
内容に矛盾があるクラウドファンディング
クラウドファンディングの内容に矛盾があるものは不誠実で信頼に欠け、どうしても支援は遠ざかります。
お金が絡むことなので支援者も慎重になりますし、プロジェクトを出す側もその辺りはしっかりとした方が良いです。
ノベルゲームがリターンに含まれていないのが気になります。完成品のサンプルとありましたが、ノベルゲームと銘打つならば「完成したノベルゲームそのもの」をリターンにするべきでしょう。
小説が悪いのでは無く、「ノベルゲームの完成品のサンプルはノベルゲームでしかない。小説は完成品のサンプルにはなりえない」のです。
クラウドファンディングは成功させる=完成させるための資金繰りです。
ノベルゲームはシナリオの内容だけが大事というわけではありません。
ノベルゲームを構成するのは、登場人物を彩る「シナリオ」「音楽」「グラフィック」「ゲームシステム」です。場合によっては「ボイス」もあるかもしれません。それらがあわさって、ようやくゲームという形になるのです。
その中のシナリオだけをリターンとして支援者に届けるのは、未完成品を届けるようなものです。
情報が不十分なクラウドファンディング
連絡先がTwitterアカウントのみで、人物像が把握できないため信頼性が低いのもネックです。
また、どういったカタチでゲームが世に出るのかわかりません。DLsiteのようなところで販売するのか、同人誌即売会で販売するのか、はたまたフリーゲームという形式で世に出すのか。
「どこで」「どのように」が抜けていてノベルゲームを手に取り遊んでいる人や自分がイメージ出来ないのです。
自分がどんな人が信頼出来るイメージを持ってもらいましょう!
どうしてクラウドファンディングのプロジェクトを立てたかの経緯の説明だけではなく、5W1Hをしっかり明示しましょう!
資金の流れが不十分なクラウドファンディング
それなりの大金(目標金額:25万円)をクラウドファンディングで募集するのですから、おそらくグラフィックや音楽、ボイスをどこかで依頼して作ってもらう流れ…だと思われます。PCの購入もあるかもしれません。
思われます、かもしれません…と曖昧にしか言えないのは、集まった資金の流れが書かれていないのでどういう流れでゲームを作成しているのか分からないのです。お金の流れが不透明だと「どんな風に使われるのか分からないので支援したくない」となるでしょう。
とりあえず、「資金は○○に使います」くらいは書くべきです。お金に関することは透明性を持たせましょう!
募集期間が短すぎる
お金を使うのって、とても大切なことです。
最後にご挨拶
偉そうなことを長々と記事にしましたが、クラウドファンディングを巡り気づいた傾向をまとめました。
私がこうして記事にしたのは、失敗例としたプロジェクトを見るたびに「もったいない」と悲しくなったからです。支援者がゼロだなんて、なんて悲しいのだろう。一生懸命だろうにな(´・ω・`)
自分がやってみて成功するとは思いませんが、悲しさのあまり「支援者視点から見たクラウドファンディングの成功と失敗」を記事にしました。